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作業療法とは

本専攻で学ぶ、「作業療法」について説明します。

作業療法士の職能団体である、日本作業療法士協会では、作業療法を次のように定義しています。

厚生労働省では、作業療法を次のように定義しています。

厚生労働省による定義:理学療法士及び作業療法士法(1965年)

作業療法とは、身体または精神に障害がある者に対し、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作そのほかの作業をおこなわせることをいう。

また、世界作業療法士連盟(World Federation of Occupational Therapists)では作業療法を以下のように定義しています。

Definition of Occupational Therapy

Occupational therapy is a client-centred health profession concerned with promoting health and well being through occupation. The primary goal of occupational therapy is to enable people to participate in the activities of everyday life. Occupational therapists achieve this outcome by working with people and communities to enhance their ability to engage in the occupations they want to, need to, or are expected to do, or by modifying the occupation or the environment to better support their occupational engagement. (WFOT 2012)

つまり、作業療法とは、「身体障がい」、「精神障がい」といった障がいの分類や、年齢に関わらず、あらゆる人を対象に、心身の障がいの回復または、その予防、さらには、生きがいや心の健康も取り戻すことができるよう、作業活動を用いて治療・援助を行うことです。

写真:作業療法士の様子01
写真:作業療法士の様子02

日本作業療法士協会による定義(2018年)

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

(註釈)

  • 作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。
  • 作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。
  • 作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。
  • 作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる。
  • 作業に焦点を当てた実践には、心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と、その作業自体を練習し、できるようにしていくという目的としての作業の利用、およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれる。