3つのポリシー
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
1)医学部保健学科が求める学生像
医学部保健学科では、保健医療の高度な知識及び技術を習得し、豊かな人間性と問題解決能力を備え、創造性、独創性と国際的視野を有し、社会で活躍できる人材の育成を目的としています。そのような人材の育成を目指すにあたって、「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー)と「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)を十分に理解し、以下に掲げる学力・行動力・意欲を有する学生を求めます
- 保健医療専門職となるための学修に必要な基礎的学力
- 将来、他の医療職者と協調しながら保健医療活動を実践するための行動力
- 向上心と研究心を基に、保健医療の実践者として社会に貢献する強い意欲
また、医学部保健学科の各専攻は、それぞれ次のような学生を求めます。
看護学専攻
- 人間や生命、健康に関心を持ち、看護専門職者として知的・人格的に成長しようとする意欲のある人
- 人間の尊厳を重んじ、人や社会、文化の多様性を認め、人と良好な関係を築くことができる人
放射線技術科学専攻
- 診療放射線技師専門職となるための学修に必要な学力を有し、特に理系の科目をしっかり履修した人
- チーム医療の一員として積極的にコミュニケーションを図り、他の医療技術者と互いに協力し合い、より良い医療を提供するための行動力のある人
- 医療を安全に行う能力を有し、生涯にわたり向上心・探究心を持ち続け、知的・人格的に成長しようとする意欲のある人
検査技術科学専攻
- 医療従事者としての自覚とチーム医療遂行のための協調性を持ち、鋭い観察力と洞察力ならびに応用力を備えて保健医療の発展のために積極的に行動できる人
- 自然科学、保健医療、臨床検査に強い関心を持ち、検査職を通して人々の健康維持・増進に積極的に取り組む意欲のある人
理学療法学専攻
- 他者と適切な関係を築きながら、様々な人たちと協働して、障害者等が抱える問題の解決に取り組む行動力を有する人
- 理学療法士として向上心・研究心を持って保健医療に取り組み、障害者等のリハビリテーションに貢献したいという強い意欲のある人
作業療法学専攻
- 作業療法の対象者の個別の価値観や生活を尊重し、対象者の希望に沿った作業活動を考えつつ実践するための行動力のある人
- チーム医療の一員として、他職種を尊重しながら、作業療法を積極的に実行する意欲のある人
2)入学志願者に求める学習の取組
- 医療従事者は、高度な知識や技術が求められますので、高等学校においては履修するすべての教科についての幅広い知識が必要とされます。
- チーム医療の一員として医療にかかわることも多いため、課外活動やボランティア活動も含めて積極的な取り組みを行う行動力を持っていることが望まれます。
- 研究心や探求心などに基づき、様々なことにかかわる意欲や他者への思いやりを持つことが必要です。
3)入学者選抜の基本方針
医学部保健学科では学力・行動力・意欲を有する学生を選抜するために、多面的・総合的な評価方法により別表のとおり入学者を選考します。
【別表1】入学者選抜方法と重点評価項目
選抜区分 | 選抜方法 | 目的と概要 | 重点評価項目 | ||
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学 力 | 行動力 | 意 欲 | |||
一般入試 (前期) |
センター試験 | 高等学校修了レベルの学力と強い意欲・行動力のある人を選抜する目的で、「学力」に重点を置いて選抜します。 | ◎ | ||
個別学力検査 | |||||
AO入試・Ⅱ | センター試験 | 高等学校修了レベルの学力と強い意欲・行動力のある人を選抜する目的で、「学力」、「行動力」、「意欲」のすべてに重点を置いて選抜します。 | ◎ | ◎ | ◎ |
小論文 | |||||
個人面接 | |||||
自己PR書 | |||||
調査書 | |||||
編入学入試 (第3年次) |
学力検査 | 専門教育についての学習に強い意欲と行動力を有する人を選抜する目的で、「学力」、「行動力」、「意欲」のすべてに重点を置いて選抜します。 | ◎ | ◎ | ◎ |
小論文 | |||||
個人面接 | |||||
成績証明書 |
【別表2】入学者選抜方法の内容と評価要素
選抜方法 | 選抜区分 | 選抜内容と評価要素 |
---|---|---|
小論文 | AO・Ⅱ | 日本の保健医療が現代社会で直面している課題等をテーマに自身の考えを記述させます。 日本語の文章力、論理的な表現力の観点から、「学力」を評価します。 |
編入学 | ||
個人面接 | AO・Ⅱ | 自己PR、志望理由、入学後の学習計画と大学卒業後の進路、高等学校での学習や課外活動等について質疑応答を行います。 志望理由、専門分野に関する興味関心について等の質疑応答の内容から「意欲」、課外活動・ボランティア活動についての質疑応答の内容から「行動力」を評価します。 |
編入学 | ||
学力検査 | 編入学 | 英語の基礎学力を問う問題に解答させます。 英文和訳においては英語の文章の読解力と日本語の表現力を評価します。 |
自己PR書 | AO・Ⅱ | 志望理由、主な活動実績について、これまでの学習や様々な活動を通して得た経験を基に自分の考えを記入させます。 本学科に対する理解や、専門分野に対する強い興味・関心、主体的に学び続けようとする積極性などにより、「行動力」、「意欲」を評価します。 |
調査書 | AO・Ⅱ | 高等学校での科目の履修状況、教科外活動の状況、ボランティア活動・プロジェクト活動など校外での活動、各種の資格・免許取得などにより、「学力」、「行動力」、「意欲」を評価します。 |
成績証明書 | 編入学 | 専門職に必要とされる専門教育科目履修状況を評価し、入学資格の判定に利用します。 |
カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー
カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー
(平成30年度入学者以降)
平成29年度以前入学者用のカリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーこちらです。
1.教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
医学部保健学科では、高度の医療技術はもとより、豊かな人間性と倫理性を兼ね備え、国民の健康と福祉に貢献できる保健医療の専門職の育成を目的とした、教養教育と専門教育のカリキュラム・ポリシーを次のように定めます。
1)教養教育について
- 幅広い教養と外国語の運用能力を身に付け、保健医療分野の国際状況や地域状況を的確に見極める力を養います。
- 基礎ゼミナール等で培った実践的学習能力をとおして国際社会や地域社会の多様性を認識するとともに、保健医療分野の課題を発見・解決する力を養います。
2)専門教育について
- 専門共通科目では、各専攻に共通して必要な基礎科目の他、コア科目を設けています。コア科目は、保健医療専門職の立場から他領域を理解するとともに、保健医療への考え方及び保健医療専門職者としての資質の育成を目指します。
- 専門基礎科目及び専門科目は、養成する保健医療専門職の国家試験受験資格を満たすために必要な科目であり、1年次から専門科目を組み込んだ楔型の構成とし、講義の後に演習・実習を展開します。
3)各専攻について
看護学専攻
- 看護専門職に必要な知識を体系的に教授することで、人間や社会への洞察を深化させ見通す力を身に付けます。
- 看護学の専門知識を活用し、社会的ニーズの変化に気づき柔軟に対応し、チーム医療の一員として、他職種と連携・協働、調整能力を発揮し問題を解決していく力を培います。
- 看護専門職の教育や啓発に役立つ基礎的能力を身につけ、創造力と探求の習慣を確立し、生涯にわたって看護学を発展・向上させようと学び続ける力を培います。
放射線技術科学専攻
- 専門知識と技術を統合するよう体系的に教授することで、論理的思考と客観的判断に基づく洞察力を養います。
- 放射線技術の専門知識を最新の医療技術に応用し、高度な専門知識を活かして問題を解決するための学術的問題解決能力を養います。
- 診療放射線技師として、日々目覚ましく進歩を遂げる医療技術を学び、探求する習慣を獲得します。
検査技術科学専攻
- 臨床検査技師として必要な実践力を習得すると共に、専門知識と判断力をもって保健医療の一端を担う臨床検査学の諸問題を的確に見極める能力を身につけます。
- チーム医療の一員として地域の保健医療に貢献できる連携能力を身につけ、問題解決能力を高めます。
- 臨床検査技師として、保健医療分野の諸問題を探求し学び続ける力を獲得します。
理学療法学専攻
- 理学療法学の専門的知識とリハビリテーション関連領域の知識を学ぶことにより、理学療法の対象者が抱える諸問題を的確に分析する力を身につけるとともに、保健医療福祉の観点から理学療法学の課題を見極める力を身につけます。
- 理学療法の対象者や取り巻く家族等が抱える問題を、理学療法のみならず、専門職連携などにより多面的に解決する実践的な力を身につけます。
- 理学療法士の見識と職業倫理を、実践等を通して培い、生涯を通じて自己研鑚に努め、理学療法学の発展や教育に寄与できる力を身につけます。また、理学療法学の学術的課題を計画的および論理的に解決するための手法を研究方法の学習と体験を通して身につけます。
作業療法学専攻
- 作業療法士に必要とされる実践力を習得し、専門知識と判断力をもってリハビリテーション医療に関わる作業療法学の諸問題を的確に見極める能力を身につけます。
- チーム医療の一員として地域のリハビリテーション医療に貢献しうる力を身につけ、問題解決能力を高めます。
- 作業療法士として、リハビリテーション医療分野の諸問題を探求し学び続ける力を獲得します。
2.卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
医学部保健学科では、上述のカリキュラム・ポリシーに基づいて編成された教育課程にそって保健医療分野における専門知識・技能等を習得するとともに、豊かな人間性と倫理性を兼ね備え、国民の健康と福祉に貢献できる者に対して、看護学専攻は学士(看護学)の学位を、放射線技術科学専攻、検査技術科学専攻、理学療法学専攻、作業療法学専攻は学士(保健学)の学位を授与します。 具体的には、つぎの目的に達していることが学位取得の要件となります。
- 教養教育と専門教育をとおして培った幅広い知識と各保健医療専門職としての専門的な知識・技術をもとに、保健医療分野の動向を見通す力を身につけていること
- 修得した専門的知識・技術を保健医療の場で活かすことにより、直面する課題を解決する力をもっていること
- 医療専門職者として保健医療を正しく認識し社会貢献を意識し、生涯にわたり自分自身を成長させていくための探求力を身につけていること
カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー
(平成29年度入学者まで)
1.卒業時の到達目標
- 卒業後、医療専門職として活躍するために必要な知識・技術・態度を修得している。
- 保健医療分野で活躍する専門職として、医療チームの中で、有機的な連携を図ることができる。
- それぞれの分野における医療技術に関する知識を調整・統合して問題解決力を備えている。
- 保健学におけるそれぞれの分野を発展させるために必要な研究的資質を備えている。
2.教育課程編成の方針
専門共通科目では、各専攻に共通して必要な基礎科目の他、コア科目を設けています。コア科目では、コ・メディカルな立場から他領域を理解するとともに、医療への考え方及び医療技術者としての資質の育成を目指しています。 専門基礎科目及び専門科目は、それぞれの専攻における国家試験受験資格を満たすために必要な科目であり、各専攻での授業目標に基づき、1年次から専門科目を組み込んだ楔形の構成とし、講義終了後に演習・実習を展開するようにしています。
3.成績評価基準
成績は、出席状況、試験、レポート等の結果に基づき総合的に評価します。なお、成績は次の5 段階で評価しますが、不可は不合格です。
秀(100~90 点) | 修得した基礎的・専門的知識及び技能を発展させることができる。 |
優( 89~80 点) | 修得した基礎的・専門的知識及び技能を応用できる。 |
良( 79~70 点) | 基礎的・専門的知識及び技能を修得している。 |
可( 69~60 点) | 最低限必要な基礎的知識及び技能を修得している。 |
不可( 59~ 0 点) | 最低限必要な基礎的知識及び技能を修得していない。 |
看護学専攻
1.教育課程の概要
問題解決能力を駆使して主体的に看護を行う専門的実践力の基礎、保健医療福祉の現状や社会情勢を広く視野に入れて看護学を発展させる創造力および研究能力の基礎、合わせて専門職の責任としての自己啓発および教育的能力を育成します。
2.到達目標
(1)知識・理解
- 看護実践の基礎・基本となる理論を理解する。
(2)当該分野固有の能力
- 人間や生命に対する畏敬・倫理観および人間への洞察力を深める。
- 創造的に看護実践できる基礎的・専門的能力を身につける。
- 看護の指導的援助において専門性を発揮できる教育的能力を身につける。
汎用的能力
- 看護学の発展を目指し自ら学び続ける態度を身につける。
- 保健医療福祉などの専門職者と連携・協働できる広い視野と調整能力を身につける。
- 看護に対する社会的ニーズの変化に主体的に柔軟に対応できる。
- 看護専門職の教育や啓発に役立つ教育者・研究者としての基礎的能力を身につける。
放射線技術科学専攻
1.教育課程の概要
近年目覚ましい進歩を遂げている放射線医学に対処できるように、教育課程においては放射線の基礎から高度な専門分野までの知識を確実に学習・研究できるように配慮をしています。さらに、病院における臨床実習を通して最新の医療技術を学び、チーム医療の一員として医師や他の医療技術者と協調して活躍できる実践的な能力を持つ人材養成を目指します。
2.到達目標
(1)知識・理解
- 医学及び放射線に関する基礎的知識を修得した上で、各種診療放射線機器の原理・構造、撮影法および画像所見、放射線治療の概要、データ処理等について理解する。
(2)当該分野固有の能力
- 診療放射線技師に必要とされる実践力を習得し、かつ豊かな人間性、倫理性を備える。
- 在学中に第1種放射線取扱主任者の資格取得に挑戦する。
(3)汎用的能力
- 診療放射線技師に必要とされる実践力を習得し、専門知識と判断力をもってチーム医療の一員として貢献できる。
- 研究への応用発展に必要な論理的思考過程とデータ処理能力等を身につける。
検査技術科学専攻
1.教育課程の概要
遺伝子解析をはじめとする高度に専門化した医学検査に対応できる知識と技術を備え、問題解決に対する判断力及び応用力、創造的知性を有する人間性豊かな臨床検査技師の養成を目指します。さらに総合科学としての学問を追求する研究者及び教育者の養成、チーム医療の一員としての協調性を備え社会に広く貢献できる人材、国際的な視野を持ち世界の保健医療に寄与できる人材の育成を目指します。
2.到達目標
(1)知識・理解
- 生命現象を総合的に理解し、医学・医療における臨床検査の基礎的知識を獲得する。
(2)当該分野固有の能力
- 生化学検査、形態学検査、生理学検査及び病因・生体防御学検査などの知識・技術を習得し、臨床検査技師に必要な実践力を養う。
- チーム医療に必要な他医療職への理解、連携能力、コミュニケーション能力を培う。
(3)汎用的能力
- 大学院進学や卒後のスキルアップを念頭に置き、学生の関心に応じて学習を深める。
理学療法学専攻
1.教育課程の概要
人間について幅広く学ぶと同時に、身体の運動機能を最良の状態に保ちさらに改善するために必要な科学的な知識と技術を修得し、人々が共により豊かで健康的な生活を営むための援助ができる理学療法士の養成を目指します。
2.到達目標
(1)知識・理解
- 理学療法の基礎的評価、治療計画及び治療技術を体系的に修得する。
(2)当該分野固有の能力
- 障害(者)を理解し、保健・医療・福祉に貢献できる実践能力を身につける。
(3)汎用的能力
- 常に問題意識をもち、自己研鑽に努める。
- 国際的な視野と科学する心を身につける。
作業療法学専攻
1.教育課程の概要
リハビリテーションは、身体または精神に障害のある人に対し、人間の身体精神機能、日常生活の諸活動並びに作業活動能力などの全人間性の回復を理念として、生き甲斐ある生活獲得を目標としています。その一員である作業療法士の育成を目的として、専門職に必要な教養科目を学び、かつ専門
2.到達目標
(1)知識・理解
- 全人的視点をもつ医療人になるための基礎的知識を理解する。
- 人間の身体機能面と精神機能面における医学的知識を理解する。
(2)当該分野固有の能力
- 作業が持つ治療的意義を理解する。
- 対象者の生活に焦点を当てた治療の実施能力を獲得する。
(3)汎用的能力
- 円滑なチーム医療の実施のため、他専門職の理解を深め、調整能力を獲得する。
- 地域性や社会的ニーズにおける医療保健福祉サービスを理解する。
- 世界で活躍できる国際的視野を獲得する。
※全学のカリキュラムポリシー・ディプロマポリシーは、弘前大学教育情報のホームページに掲載されています。